- 2025年12月18日
HPVワクチンについて①
HPVワクチンをご存じですか?子宮頸がんワクチンとして認識されている方もおいでと思います。HPV(ヒトパピローマウィルス)は女性は子宮頚がん、咽頭がん、肛門がん、尖圭コンジローマの原因。男性は咽頭がん、肛門がん、陰茎がん、尖圭コンジローマの原因になります。性交渉で感染するウィルスなので多くの方が感染する可能性の高いウィルスです。女性は84%以上、男性は91%以上が感染することが知られています。日本では毎年1万人が子宮頸がんに罹患し、3000人が死亡します。人口10万人あたり30人の罹患率で、2015年以降世界1位の罹患率です。
問題なのは20代から40代の働き盛り、子育て世代、社会でも家庭でも活躍が期待される年齢層に多いということです。中等度異形成ならレーザー焼却術が可能です。高度異形成は円錐切除術が適応です。どちらも子宮頸部(子宮の入り口)を処置しますので子宮自体は残りますから妊娠することは可能(妊孕性、「にんようせい」と言います)です。しかし、円錐切除は頸管粘液というおりものを作る場所に影響しますので不妊の原因になることもあります。また、円錐切除で子宮の入り口は短くなるので流産や早産のリスクが上がります。正常子宮の方100人が妊娠すると6人は流産することが統計から知られています。円錐切除術を行った女性100人が妊娠すると18人が流産します。高度異形成より進んだ子宮頸がんstageⅠb以上になりますと子宮全摘。付属器切除など妊孕性が失われます。もちろん術後の治療が日常生活に支障を来すのは言うまでもありません。
高度異形成になってはいけないのです。原因がわかった珍しい癌です。 そして、癌の予防接種はHPVワクチンだけです。性交渉前が最も有効なことから小6から高校1年の学年の方に定期接種を行っています。性交渉の有無に関わらず、45歳くらいまでの男女共にもHPVワクチンは推奨されています。
